以前友達の家にお邪魔した時に空気清浄機が置いてあった。僕がオナラをするたびにブゥゥゥゥゥンと轟音を立て、空気をきれいにしていた。僕が目の前を通るたびにブゥゥゥゥゥンと轟音を立て、空気をきれいにしていた。そう、まるで僕が汚物でもあるかのように。
空気清浄機ってなんだか悲しい生き物だよね。好きでもないのに自ら汚い空気を吸ってそれをきれいにして吐き出してくれる。そして僕らはそのきれいな空気を吸っては吐いて、おならをこいたりゲップをしたりして空気を汚す。そして空気清浄機の中には汚いものがどんどんと溜まっていく・・・
・・・
そんな話をしたいわけではなくて、空気清浄機を本当に買ってみたいなと思ったので、今回はプラズマの観点から調べたおすすめ空気清浄機を紹介させていただきます。（一応プラズマ関連の研究（笑）を学生時代していたのでw）
シャープ プラズマクラスター
みなさんご存知、空気清浄機といったらこれだよねというほどに有名なシャープの空気清浄機です。こちらの特徴といえば名前にもあるプラズマクラスターと呼ばれるイオン発生装置ですね。ネット上にプラズマクラスターの特許情報が落ちていましたのでそちらのからわかりやすそうな請求項を一部抜粋しました。
http://homepage2.nifty.com/akira/blog/Sharp_plasmacluster_patent_IPDL.pdf
請求項を参照しますと、
【請求項２】
正イオンとしてイオンＨ+（Ｈ2Ｏ）m（ｍは任意の自然数）と、負イオンとしてO2-（H2O）n（ｎは任意の自然数）とを発生して、空気中に浮遊する浮遊細菌に付着させ、該Ｈ+（Ｈ2Ｏ）m及び該Ｏ2-（Ｈ2Ｏ）nが反応して生成するＨ2Ｏ2または・ＯＨにより前記浮遊細菌を殺菌することを特徴とする殺菌方法。【請求項９】
電極に電圧を印加することにより、大気中で放電による電離現象を起こし、正イオンとしてＨ+（Ｈ2Ｏ）m（ｍは任意の自然数）、負イオンとしてＯ2-（Ｈ2Ｏ）n（ｎは任意の自数）を最も安定して生成されることを特徴とするイオン発生装置。
公報を読み進めていくと、大気中で放電することによって大気中の水蒸気が電離し、正イオンH+と負イオンO2-が発生する。そしてその発生したイオンが浮遊細菌の表面に付着することによって過酸化水素（H2O2）とOHラジカル（・OH）に変化し、浮遊細菌を殺菌すると書いてあります。
化学的な観点からすると、部屋中の隅々までこのイオンが行き渡り、上記のような作用を起こすとは到底考えにくい。請求項１３には、イオン発生点から１０cmでの濃度が10000個/cm3と定義されているが、イオン化した分子なんてせいぜい数十秒程度で消失するものであり、その程度の濃度で部屋全体にイオンが行き渡るとは考えにくいです。
したがってシャープのプラズマクラスターによる浮遊細菌の殺菌効果は薄いと言えます。プラズマの観点からすれば、シャープはあまりお勧めしません。
パナソニック ナノイー
パナソニックの公式ホームページを参照すると、空気中の水分を結露させて集め、集まった水に高電圧をかけることで電気分解することでOHラジカルを発生させ、大量に大気中に放出させるとのこと。（リンクが切れていたため、公式ホームページへのリンクを削除しました）
しかしこちらのOHラジカルなるものは先ほどのイオン（H+やO2-）よりも寿命が短いために、すぐにH2O等の安定状態に戻ってしまいます。（イオンとラジカルの生存期間もどんぐりの背比べ程度の気もしますが…）
いくら大気中に高濃度（毎秒4800億個出ているらしいが、それが多いのか少ないのかわからない）で拡散させたとしても数メートルもOHラジカルとしては浮遊せず、浮遊細菌を殺菌させることはできないと考えられます。
その点を考慮すると、H+やO2-として多少でも距離を伸ばし、浮遊細菌に付着した時点でOHラジカルに変化するシャープのプラズマクラスターのほうがパナソニックのナノイーよりも効果的と言えますね。ちなみにパナソニックのナノイーは商標であり、上記ナノイーの技術内容は既存技術です。（つまりどこの会社でも実現できるありきたりな技術であるということ）
また、空気中の水分を結露させて電気分解用の水を調達しているので、湿気の多い夏の時期は良いかもしれませんが、乾燥した冬ではあまり多くのOHラジカル生成に期待が持てないと想定されます。インフルエンザウイルスは冬が多いのにね。
個人的にはPanasonicの空気清浄機はあまりお勧めではありません。
ダイキン ストリーマ技術
シャープやパナソニックはイオンやOHラジカルを空気中に拡散させ、外で浮遊細菌を殺菌するという外部対策でしたが、ダイキンの場合は空気清浄機で集めた空気に空気清浄機内部で放電して得られたOHラジカルを直接原因物質に当てて殺菌するというとても効きそうな殺菌スタイルです。入ってきた空気はストリーマ放電によって必ず殺菌されて出てくるという点が真空ではない場所で発生してもすぐ消えてしまうプラズマのことをよくわかっているなと感心してしまいます。さすが白物家電ではなく大規模な工場やオフィスを長年担当して技術を蓄積して来ただけはあります。（上から目線w）
ストリーマ放電に関しては、関連した特許が５５件も出ているようで、今でも順次関連特許を出願しているようなので、なかなか他社が真似できない技術となっています。
そして最近では上記外部対策にも力を入れ、アクティブプラズマイオンなるものを搭載した、内部外部両方のプラズマ対策を兼ね備えたハイグレードタイプも発売しています。こちらはプラズマクラスターのようにイオンを空気中に放出し、そのイオンが細菌に付着することでOHラジカルに変化して殺菌するという仕組みになっています。
シャープが特許を持っているがダイキンも独自の技術で上記シャープの特許を回避したものと思われます。（特許を探してみたが見つけることができませんでした）
しかしどちらが優位であるのか、試験方法も各社独自で述べているので全く判断できないのが現状ではあります。笑
あと、単純にストリーマ技術と言っているだけで、プラズマクラスターとか、ナノイーとかかっこいい名前がないのが、白物家電メーカーっぽくなくていいところですよね。
理系の方であれば絶対に好きになってしまう会社ですね。笑
結論 プラズマで考えるとダイキンの空気清浄機がおすすめ!!
プラズマという観点で考えると、内部対策でストリーマ放電、外部対策でアクティブプラズマイオンというダブル方式のダイキンがお勧めという結論に達しました。
僕個人の観点からすると、プラズマによる除菌、殺菌は空気清浄機の機能全てではなくあくまで飾り程度であまり大きな効果はないと考えた方がいいと思います。
なぜかというと本当にプラズマから発生したイオンが作用して殺菌されたという確固たるデータがないからです。
それよりも空気清浄機の機能はフィルターが性能におけるかなりの比率を占めているので、プラズマやらイオンやらラジカルやらはあまり深く考えない方がいいでしょう。
そしてそのフィルターの集塵方式においても単純にHEPAフィルターを使用して集塵するタイプではなく、ダイキンでは電気集塵方式という独自の集塵技術も採用しているので、やはり技術面においてもダイキンの空気清浄機が断然いいと思います。
もうダイキン以外の空気清浄機は考えられないと言っても過言ではないでしょう。
ということで僕もついにダイキンの空気清浄機デビューを果たしてしまいました !!
こちらの機種で、除湿機能はついていませんがコストパフォーマンスが一番良かったのでこちらの機種にしました。
2016年度の最新の同タイプと比較して性能に全く差がないと言っても過言ではないほどのスペックで最新機種よりも15,000円以上安いなんて、これはもう買うしかないですよね。在庫も少ないと思うので、検討している方はお早めに！
下記記事にレビューを書かせていただいたので、参考にして頂ければと思います。
Pick Up!! 【レビュー!!】ダイキンのハイグレード空気清浄機「MCK70S」がコスパ最強すぎるのでオススメする
全く関係ありませんが・・・
ナノイーに関する特許ないかなーって調べてたらなかなか面白い特許があったので紹介しておく。
【請求項１】
イオン発生装置を作動させ、イオンが存在する環境下で発酵・熟成させる、風味の良好な醸造食品の製造法。
【請求項２】
醸造食品が、産膜酵母が増殖し、膜を形成する可能性のある食品である、請求項１記載の製造法。
【請求項３】
醸造食品が、醤油、味噌などの含塩発酵食品である、請求項１記載の製造法。
【請求項４】
イオン発生装置として、マイナスイオン及び／又はプラスイオンを発生させることのできる装置を使用する、請求項１記載の製造法。
【請求項５】
イオン発生装置として、プラズマクラスターイオン発生装置（シャープ株式会社製）又はナノイーイオン発生装置（パナソニック株式会社製）を使用する、請求項１記載の製造法。
…
イオン発生装置が醸造食品に有効に働くことにも驚きましたが
…
元知財担当者として、シャープとパナソニックに限定するのはどうかと思います。笑
そしてダイキン好きとしては残念な特許ですね。笑
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