初めて週刊少年ジャンプを手にしてから、20年近くが経過しました。
雨にも負けず、風にも負けず、雪にも夏の暑さにも負けず、毎週休むことなくジャンプを買い続けました。コンビニで立ち読みすることもなく、ちゃんと毎週購入して家で一時間かけて読むのが今でも日課です。
これだけ長い間読んでいると、大人気の漫画はもちろん、最初は勢いがあったのに消えていった漫画、これ面白くないんじゃないと思ったら、大ヒットした漫画。様々な漫画に出くわし、漫画の内容だけでなく、作者も覚えるようになってきました。
昔はヒット作が書けなかった漫画家が書いた大人気ヒットしている漫画を読んでいると、「よくぞここまで」と子供の成長を喜ぶ母親のよう(スラムダンク赤木晴子風)に嬉しく、感動します。
今日はそんな週刊少年ジャンプの漫画を作者とともに紹介していきたいと思います。
ジャンプってワンピースやナルト、ハンターハンターだけじゃないんだぞ!!を伝えたい。
葦原大介先生
賢い犬リリエンタール(全4巻)
或る日突然やってきた、人間の言葉をしゃべることができる犬「リリエンタール」とリリエンタールを兄弟として受け入れた日野家族。リリエンタールが起こす不思議な現象やリリエンタールを狙う悪の組織との攻防を描いたストーリー漫画。
リリエンタールの仕草や表現がとても癒されてなかなかいい漫画だと思う。ほのぼの系でいけばそのままうまくいったのかもしれないが、悪の組織との攻防がほのぼの系に合わず、世界観が崩れてしまったと感じている。読者人気投票に左右されていろいろとテコ入れした結果失敗したように感じた。
ワールドトリガー(連載中)
異次元からの侵略者「近界民」の脅威にさらされている三門市。そこに住む少し正義感の強い中学生・三雲修は、謎の転校生・空閑遊真と出会う。遊真の行動に振り回される修の運命は!? 最新型SFアクション始動!!
葦原先生としては二作目となる連載作品での大ヒット。地球外生命体との戦いや、特殊能力的なトリガーが使える設定など、若者の心をくすぐる要素が盛りだくさんで読者を惹きつけている。リリエンタールではシリアスな場面が合わなかったが、葦原先生独特の切羽詰っているのに落ち着いた描写が今回の世界観とマッチしていてとてもおもしろい作品となっている。
松井優征先生
魔人探偵脳噛ネウロ(全23巻)
女子高生・桂木弥子の父親が殺された。密室の惨殺事件。謎に満ちた事件は弥子の日常を混乱へ…。一向に捜査が進展しない中、悲しみにくれる弥子の前に脳噛ネウロと名乗る男が現れた。彼は言う。究極の『謎』を解きたいと…!!
初めての連載で、これだけ続いたのは素晴らしいと思った。謎を食べる魔人という設定がなんともぶっ飛んでいる。そこまで失敗作とも思わないが(個人的にも好き)、その作画力と最後の解決方法の無理やり感がマイナス点。トリックも常軌を逸しているし、最後はネウロが無理やり解決してしまう点が強引すぎかと思った。後半は強敵とのバトルでやや間伸びした感じ。
暗殺教室(全20巻)
号令と共に教室を満たす銃声! 椚ヶ丘中学校3年E組は生徒全員が先生の命を狙う暗殺教室。教師と生徒、標的と暗殺者の異常な日常が始まる――!!
元殺し屋が実験材料に使用された結果、地球壊滅を脅かす超生物に・・・。松井先生は超人を題材にした作品が好きなようだ。こちらはネウロよりも連載期間は短いものの、映画化、アニメ化と大ヒット。落ちこぼれ中学生を題材にしたことにより読者の心をつかんだようだ。(落ちこぼれと言っても最高学力の中学の中での落ちこぼれでだが)
ネウロの時と違い最後まで間伸びせず、感動的なクライマックスを迎えられた点が良かった。
麻生周一先生
ぼくのわたしの勇者学(全6巻)
私立ホーリーランス学園に現れた勇者・鋼野剣。転校生かと思いきや教師として赴任してきた彼は、生徒達を勇者にするために勇者学を教えると宣言。勇者とは思えない行動を繰り返す鋼野の授業が今、始まる!!
突如勇者の格好をした先生が現れ、なぜか勇者学を教えることになるという設定がおもしろい。序盤は勢いがあって笑いながら読めたが、後半は完全にネタが尽きたのか設定がよくわからなくなりまるで面白く無くなってしまったのを覚えている。悪い点を挙げるとすればその作画力の低さ。
ぼくのわたしの勇者学が始まる前に週刊少年ジャンプに特別読切で掲載された「勇者パーティー現る」はめちゃくちゃ面白かった。
新世紀アイドル伝説 彼方セブンチェンジ(全1巻)
甘いルックスで人気急上昇中の新人アイドル・蒼希彼方。しかし彼の本当の夢は、お笑い芸人になる事だった!! 笑いを取るために、彼方はどの現場でも大暴走して!? 麻生周一が贈る、新時代アイドルギャグ!!
こちらは特に思い入れもなく説明は省くが、13話の短期打ち切りと述べたらそれで全てがご理解いただけるだろう。麻生先生が錯乱状態で書き上げた作品に違いない。
斉木楠雄のΨ難(連載中)
彼の名前は斉木楠雄、超能力者である。誰もが羨む才能も、本人にとっては災難を呼ぶ不幸の元凶。故に人前では力を封印、目立たず人と関わらずを心掛けてきた斉木だったが、何故かワケあり同級生が急接近!?
現在僕の中で週刊少年ジャンプで1、2を争うほど面白い漫画の一つ。主人公が超能力者で全知全能、完全無敵。僕はこういう設定に惹かれる。どんな強いできもチート的強さでガンガンなぎ倒す爽快感ときたら・・・。(だからワンパンマンも大好き)
今回はただの学園生活なので、そんなバトル漫画的要素がないが、あらゆる高校生の悩みは彼は持っておらず、むしろ力が有り余りすぎてコントロールに苦労している。
何も考えていない燃堂や中二病を患っている海藤、宇宙一の美少女照橋さんなど個性的なキャラクターが面白い。あとは画力があれば・・・・
池沢春人先生
クロガネ(全8巻)
運動神経ゼロの少年・黒鉄ヒロトは、ヒーローに憧れる高校一年生。剣道部の少女・ツバメから女剣士の幽霊の話を聞いた帰り道、何と噂の“刀条さゆり”の霊に襲われて…!? 疾走青春剣道ストーリー!!
運動音痴だが天性の視力を持つ主人公が、「桜一刀流」最強の幽霊に取り憑かれ、桜一刀流で日本一を目指す物語。
設定は面白そうに聞こえるのだが視力だけで数々の強敵を倒すことができるとは到底思えなかったところについていけなくなった。もちろん途中で勢いも失速し打ち切りに。当時は作画力も微妙だったのでその点も減点評価かと。
ものの歩(連載中)
要領が悪く、周りから否定され続けてきた高校一年生・高良信歩。彼の引っ越した下宿先は、なんと“将棋のプロ”を目指す人達が暮らす場所だった。将棋に触れ、楽しさを見つけた信歩が歩む、全力青春将棋譚開幕!!
将棋というジャンルのチョイスがなかなか良いと思った。要領が悪いが、一つのことを考えるときの思考力がハンパない主人公が将棋と出会い強くなっていくストーリーに共感してしまう。将棋がわからなくても読め(逆に将棋がわかる人にとってはありえない内容かもしれないが)、毎週楽しく読んでる。
画力も相当パワーアップしていたので、クロガネの人とは気づかなかった。今後も楽しいストーリ展開を期待する。
古舘春一先生
詭弁学派、四ッ谷先輩の怪談。(全3巻)
「幻の生徒」と噂される四ッ谷先輩が学校の七不思議を語り、助手となった中島真琴とともに事件を解決していく物語。
独特の表現や作画に魅了される漫画。様々な事件を起こした犯人を、怪談を使って追い詰めて懲らしめるという内容がなかなか良かったのだが、次第にネタがあまり面白く無くなって失速してしまった印象。ネタの作り込みにもう少し力があればとても面白い作品だっただろうと思う。
ハイキュー!!(連載中)
おれは飛べる!! バレーボールに魅せられ、中学最初で最後の公式戦に臨んだ日向翔陽。だが、「コート上の王様」と異名を取る天才選手・影山に惨敗してしまう。リベンジを誓い烏野高校バレー部の門を叩く日向だが!?
王道の高校生スポーツ漫画。ジャンプしかできない主人公日向、トスの天才だがコミュ障な影山、他にも一芸だけで個性豊かなキャラクターで、全国大会優勝を目指していく熱い漫画。たまにギャグ要素も入っており、現代版スラムダンクといったところか。(スラムダンクの方がもう少しシリアスか)
前回とは違い今回は王道のスポーツ漫画で大ヒット。古舘先生のいい味が出た作品。
堀越耕平先生
逢魔ヶ刻動物園(全5巻)
呪いによってウサギの姿に変えられてしまった逢魔ヶ刻動物園の園長・椎名と、夏休みの間に自分を変えたくて逢摩ヶ刻動物園の飼育員アルバイトになった女子高生・蒼井華は、園の動物たちとともに「天下一の動物園」を作るために奮闘する。
動物園を舞台としたなかなか設定が面白い漫画。特別読切時代は1話完結型だったので内容も濃く、これ連載されそうだなと思いながら読んでいたが、いざ連載が始まると最初はストーリに引き込まれて面白いと思ったが、徐々にネタが尽きて間伸びした感じになってしまった。設定が凝っているとその細部までしっかり作り込まない限り、うまくストーリー展開できないんだろうなと、一読者ながら感じた作品。
戦星のバルジ(全2巻)
悪しき異星人が平和を乱し、王家の統治が揺らぎ始めた星インダストリア。この星は今“戦星の世”―。街はずれに住む、貧乏だが、家族想いの少年・アストロは、ある日、自分とソックリの謎の少年と出会った事で…!?
設定は面白そうだったが、内容が薄いというか、あまり引き込まれない内容だった。やはり人気も出ず、2巻で終了してしまった。まさに堀越先生の暗黒時代である。
僕のヒーローアカデミア(連載中)
多くの人間が“個性”という力を持つ。だが、それは必ずしも正義の為の力ではない。しかし、避けられぬ悪が存在する様に、そこには必ず我らヒーローがいる! ん? 私が誰かって? HA―HA―HA―HA―HA! さぁ、始まるぞ少年! 君だけの夢に突き進め! “Plus Ultra”!!
人間が特殊能力に目覚め、それぞれの個性という名の特殊能力を持ちヒーローとして活躍する中で、何の能力にも目覚めなかった少年がある日突然No.1ヒーロの能力を受け継ぐことになる。
設定はぶっ飛んでいるのにジャンプの「努力、友情、勝利」が入っためちゃくちゃ熱い王道バトルマンガ。アニメも始まり現在人気急上昇中。
実は過去の作品「僕のヒーロー」からこの作品へと繋がった。まさに一発逆転ホームランの漫画。
田畠裕基先生
HUNGRY JOKER(全3巻)
記憶喪失の天才少年科学者・ハイジは助手の鳥居大路千歳と共に記憶の手がかりである“光る死体”と“黒いリンゴ”の謎を追う! ある日、街で発見された“光る死体”を調査する2人に魔の手が…!? 怪奇科学冒険譚、開幕!!
初めてこの作品を見た時は、なかなか絵がうまくておもしろそうだと思ったが、設定がいまいちつかめなかったので、序盤で見飽きてしまいほとんど読んでいない作品。読者離れが激しく3巻という短い話数で終わってしまった。
ブラック・クローバー(連載中)
魔法がすべての、とある世界──。生まれながらに魔法が使えない少年アスタは、己の力を証明するため、そして友との約束を果たすために、魔道士の頂点“魔法帝”を目指す! 少年魔法ファンタジー、ここに開幕!!
魔法が全ての世界で魔法が全く使えない主人公。どこにでもありそうな設定だが要所要所でギャグが入るところや、主人公ががむしゃらに敵を倒していくところが少年誌にすごく合っていて面白い。主人公の素直な性格にとても惹かれる。(僕もこんな素直だった日が昔あっただろうか?)今ジャンプの中でも大人気の作品。
番外編 頑張ってほしい先生
岩代俊明先生
岩代先生は「みえるひと」から始まり、「PSYREN-サイレン-」、「カガミガミ」と週刊少年ジャンプで連載してきたが、人気爆発することもなくいつも途中で打ち切りとなってしまっている。作画力はあり、いつも無難な内容で良いのだが、個人的に無難という域から脱することができていないように感じる。最初の勢いはあり、「この漫画なかなか面白いな」と最初は思うのだが、途中から完全に失速するのだ。素人目線で申し訳ないが、世界観の作り込みをもう少し考えて伏線を張り巡らした面白いストーリーを是非とも考えてほしい。
KAITO先生
「クロス・マネジ」、「バディストライク」と二回連載を勝ち取っている。もともとギャグ漫画を書いていたようだがストーリー漫画に転向して週刊少年ジャンプで連載できるようになった模様。(ところどころギャグが入るのはそのためか)
バディストライクはもう少し様子を見てもよかったかもしれないが読者アンケートの結果が相当悪かったのだろう。最終回に強烈なキャラを色々詰め込んで終わったので本当に訳がわからなかった。これからに期待したい。(ちなみに個人的にはクロス・マネジは結構好きだった)
あとがき
最初は連載もうまくいかなくても、徐々に経験値を重ね、大ヒットマンガを描き上げる大先生へと成長した姿が作品からもうかがえる。紹介した結果、今のジャンプを支える漫画家を紹介した形となった。(ジャンプの未来は明るいぞ)
アウトローな作品から王道マンガへとシフトした人、自分の個性を貫いた作品を書き続けることにした人、昔描いた漫画から発展させた人など、試行錯誤した結果大ヒット漫画ができている。
今後もそんな成長も楽しみながら、ジャンプを読んでいきたいと思う。
そしてハンターハンターは頑張って連載を続けて欲しい。冨樫先生頑張って!!
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